先日、兵庫芸術文化センター中ホールで上演されていた、「真田風雲録」という作品を観ました。
1962年に発表された名作とのことでしたが、私は大変衝撃を受けました。
これは真田幸村率いる真田十勇士を描いた作品で、当時の東西冷戦や学生運動などの世相をも写し取った青春群像時代劇です。
おかしくて、哀しくて、熱い舞台でした。
時代の風に翻弄される個人を描いた作品という点で、はじめてミュージカル「レ・ミゼラブル」を観た時のような感覚になりました。
今でも圧倒されてしまうのですから、当時に観た方々はもっと衝撃を受けられたことだと思います。
そして、「こんなすごい作品を書かれた福田善之さんってどんな方だろう?」と思い、急に福田さんに興味がわいてきたのです。
福田さんは1931年生まれで、1960年ごろから現在まで、数々の戯曲やドラマのシナリオを書かれています。
岸田国士戯曲賞を受賞された「袴垂れはどこだ」(でも事情により、賞は辞退されたそうです)や、1976年大河ドラマ「風と雲と虹と」などが特に有名なようです。
その他、ミュージカル「ピーターパン」の脚色、演出など、ミュージカルも多く手掛けられ、面白いところでは、役者として「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の博士役などもやっていらっしゃいます。
私は、福田さんが春風ひとみさんの一人ミュージカル「壁の中の妖精」(紀伊国屋演劇賞受賞作)を書かれた方だという認識はあったのですが、その他の作品には全く触れていなかったので、今、アマゾンで古本を中心に取り寄せて、ワクワクと読んでいるところです。
世に出ている脚本家の方には、皆さん優れたところがあると思っています。
だからなのか、私は時々、ある特定の脚本家さんにハマって、その方の作品を夢中になって読むことがあります。
たぶん、その時期の私に足りないものを、その方が持っていらっしゃるから、どうしようもなく惹かれてしまうのではないかと思います。
福田さんの作品にはまだ触れ始めたばかりですが、今、その魅力に本当に夢中になっています。
福田さんの作品には、「凝った」あらすじのものは少ないような気がするのですが、人間として当たり前の感情、当たり前だからこそ見落としがちな感情を、とりこぼすことなく誠実に描かれています。
だから、物語に入り込むにつれて、登場人物の感情と自分の感情がどんどん一体になり、圧倒されてしまうのです。
どうやったら、こんなにちゃんと感情を描けるんだろう?と思います。
難しいことですが、どうにかして、ちょっとでも近づきたいです。
まずは誠実に生きること、そして感じるべきことを丁寧に「感じる」ところからはじめなければならないのかもしれません。
そっか...最近「頭で考えてばかり」で、「感じて」いなかったなあ。
心を動かすことを忘れていたかもしれないなあ。
たいした技術なんてないくせに、それでも「技術」で書こうとしていたかもしれないな、と思いました。
反省ばかりの毎日ですが、自分にとっての光を見つけたことを幸せに思っています。
たとえ、直接的な出会いでなくても、すべての出会いは宝物です。
これから、心を動かすことを忘れずに頑張ります。
余談ですが、今回買った古書の中に、福田さんのサインが書かれていたものがありました。
今や憧れの福田さんなので、「素敵な字だなあ」とうっとり眺めています。

ちなみに、このサインの右の方に「○○様」と、贈られた方のお名前も書いてあり、調べてみると、ある有名な女優さんを育てられた事務所の社長さんのお名前でした。
私あてのサインでもないのに、とっても光栄な気持ちになりました!
この本が私の手元にやってきたのも、きっと何かのご縁なのです!
頑張ろっと!
コメントする