経験談の良し悪し

早稲田大学野球部の練習風景がTVで流れていた。時代に逆行するかのような、非科学的な練習風景だった。
投手はとにかく走る。捕手は通常より短い距離での捕球練習。ミスすると、罰則の猛ダッシュ。
野手の身体に、バンバン球があたる。たぶん、身体中痣だらけだろう。
監督曰く。 
「若い時に苦しい思いをしておけば、困難に出合った時『あの時にくらべればまだまし』と思える。」
同じ事がどの世界でもいえる。
 
四季時代の先輩がよく口にしていたのは、「ウエスト特訓」 「ウエストサイド・ストーリ」作品のダンス特訓。
聞けば稽古場にトレーナーが待機。夏にもかかわらず汗が・・・出ないのではなく、乾いて塩が吹いてたそうだ。
私も同じ体験を、「コーラスライン」の特訓で味わった。
通常の稽古が終ると先輩方は解散。新人はその後稽古。地獄の始まりタイム。ただ私は地獄には感じられなかった。
何故かというと、男性キャストのすべての役のダンスを覚えられる時間だったからだ。
なんでも自分に都合のいい方にとっていた気がする。
ある日、指導していたダンスキャプテンが、「後50回踊ったら終わり。」と。私は思わず喜んだ。そして・・・
「早くやりましょう。え~と・・・やった 二時間で終わるじゃん。」 シ~ン・・・
その日は大学時代の友達と、確か・・・マージャンする予定だった。 不謹慎?
 
しかしこんな経験が役にたたないと感じた時があった。
 
与えられた歌の音域がだせない。台詞に実感がこもらない。あげくに、ケガをして身体が動かせない。
何度歌っても届かない音域。何度読み返しても言えないセリフ。
大先輩のなにげない一言がなかったら、私はもっと早くに辞めていたかもしれない。
「お前はいつもソロがあるなぁ。台詞もあるし。」だった。 はっとした。先輩曰く。
「広瀬の病名は、う~ん・・・ 贅沢病。」
ひょっとして嫌味だったのかもしれないが、なんでも自分に都合よく取る私には、「助言」に聞こえた。
 
年を取ったせいか、最近思い出話しが・・・
 
芝居を作る現場に早く戻ろうと思う。どんどん引き出しが失われていく。
自分の経験が覆されていく事が、いい作品につながる気がする。
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