みなさま、昨日の台風すごかったですね~![]()
大丈夫でしたか?
これから上陸する地域のみなさまが、どうかご無事でありますように...![]()
さてさて、劇作家の別役実さんが、著書の中でこんなことを書いていらっしゃいまし
た。
「有名な絵を使って、それに対して言葉をつけてみる。勉強にはなりますので、おり
を見つけてやってもらいたいと思います」
別役実さんは、その方法で「名画劇場―別役実のパロディ・シアター」という本も書
かれていらっしゃいます。
私もネットで気になる絵を見つけました。
この絵で、ちょっとやってみようっと!

ある劇団の本番終演後
女座長の声が劇場に響く。
座長「だれか中川!中川を呼んできて!」
演出助手が走ってやってくる。
演出助手「中川、いま来れないって言ってます」
座長「いいアイデアがうかんだの!大至急来させなさい!座長の命令よ!」
演出助手「ほんとに今すぐですか?あいつ裸なんですよ...っていうか座長も裸ですけ
ど」
座長「そんなことどうでもいいの!」
演出助手「どうでもいいんですか?」
座長「中川が来なかったら、かわりにあんたをクビにするわよ!」
演出助手「わかりました!」
演出助手、あわてて中川を呼びに行く。
数分後、劇団員の中川がやってくる。
中川「座長、なんですか?」
座長「遅い!いったい何分待たせるのよ!」
中川「仕方ないんスよ。シャワー浴びてる途中だったんスから」
座長「水ポタポタたらしながら舞台袖に来ないでよ」
中川「バスタオル見つからなかったんスよ」
座長「非常識よ。舞台人としてあるまじき行為だわ。早く緞帳(どんちょう)で拭き
なさい!」
緞帳(どんちょう)で身体を拭く中川。
中川「それに、楽屋の廊下でへんなおじいさんにとっつかまって離してもらえなかったんですよ。」
座長「失礼ね。私の弟よ」
中川「弟さんなんですか。めっちゃ老けてますねえ」
座長「失礼ね。弟は青森では知らない人がいない名士なのよ」
中川「どうりで、無理やりリンゴくれました」
座長「よかったわね。弟の作るリンゴはそこいらのリンゴとは違うわ。しかもあんたのリンゴ枝つきじゃない。間違いなく新鮮よ。私も後でゆっくり食べようと思ってるのよ」
中川「...で、話ってなんですか?」
座長「そうそう。第一幕の4場だけど、あんたのセリフで全然笑いが来ないわねえ」
中川「そうなんスよ、客わかってないッスねえ」
座長「ナマ言うんじゃないの。何度も言ってるでしょう。笑いは『緊張と緩和』だって。あんたの芝居には緊張感が足りないのよ」
中川「そうですか。ちゃんとやってるつもりなんスけど...難しいッスねえ」
落ち込む中川
少し中川がかわいそうになる座長。
座長「大丈夫よ。私が秘策を思いついたわ。見てこの子、ガラガラヘビのガラちゃんっていうの。今日たまたま連れてきてたんだけど」
中川「なんでたまたま連れてきてんスか」
座長「私爬虫類マニアだもん。大丈夫、毒は抜いてあるから」
中川「はあ...」
座長「4場になったら、ベルトのかわりにガラちゃんを巻いて出なさい。気付いたお客さんは絶対冷や汗もんよ。これで緊張感が3割はアップするわ。それから中川、あんた体重何キロ?」
中川「えっと、75キロです」
座長「いいガタイしてるもんね。じゃあ中川、4場はこの木の枝の上に立って喋りなさい」
中川「え、そんな細い枝、絶対折れるじゃないですか」
座長「折れるからいいのよ。肉体派で二枚目のあんたが、意味もなく枝から落ちる。お客さんドカーンよ。意味なくコケることで笑いを取る、いわゆる吉本新喜劇セオリーね。目指せ、なかやまきんに君!」
中川「きんに君って...微妙だなあ...」
座長「なかがわきんに君!」
中川「わかりましたって。それで、ほんとにお客さん笑ってくれますかね」
座長「間違いないわ。私が保証するわ」
座長、自信ありげに微笑む。
中川、元気を取り戻す。
中川「いや~、座長ってやっぱりすごいっスねえ!」
座長「わかってくれてよかったわ。よろしくね」
中川「頑張るっス!」
座長「期待してるわ」
中川「ありがとうございます!」
座長「...じゃ、私そろそろ服を着るわ。着替えてる途中に思いついちゃったもんだから」
中川「親身になって考えてくれてありがとうございました!」
座長「お疲れさま」
中川頭を下げる。去ろうとする座長。
中川「あの...座長...」
座長「なに」
中川「座長の身体ってキレイっスね。ホントのこと言うと、思わず見とれちゃいまし
た」
座長「な、なにバカなこと言ってるのよ。こんなおばさんにむかって」
中川「全然キレイですよ。僕まじで、どストライクです」
座長「え?」
頬を赤らめる座長。
中川「あの...座長は気づいてなかったと思いますが、僕実は、前から座長を...とっても尊敬しているんス...そして...実はずっと...あなたのこと...」
座長「な、中川...」
暗い舞台袖の中で見つめあう二人。
座長の手から、リンゴがポロリと落ちる。
注1 この物語は全くのフィクションです。
注2 この絵は、ドイツルネサンス期に活躍した偉大な画家、アルブレヒト・デューラー(1471~1528)の、「アダムとエヴァ(イブ)」という作品です。
冒涜してすみません![]()
おオ~~すごい、、、大作
座長の弟つーのは、もしやA利K太老で、中川つーのはH氏?
じゃあ、座長って誰なんだ
とか想像してました
大変お返事が遅くなって申し訳ありません。
全く何も考えないで書いているので、いろいろ想像していただいてありがたいです。
絵に台詞をつけるのは、とても勉強になりますが難しいです。
これからもたびたびやってみようと思うので、よろしくお願いいたします☆