ダンサー

久しぶりにゆっくりと劇団てんのHPを見た。
公演記録をクリックすると、過去の公演チラシが映し出される。
懐かしく思い、旗揚げ公演から順に見ていった。
上演された作品はできるだけ記録映像を残しているが、全てアップするとなると・・・
公演の衣裳資料などを残すため、公演ごとに写真を掲載している。
数十枚ある作品もあれば、数枚しかないものもある。
順に見ていくと、宣伝のために作られたVTRも数点ある。
 
アトリエ公演のタップのシーンがでてきた。
「これは誰が振りつけた?」 最初はわからなかったが、よくよくみれば・・・私のようだ。
「スタンドイン」の冒頭のダンスシーンをみて思い出した。
私はほとんどの振り付けが数時間でおわるのだが、この作品の時は二日かかった。苦しんだ。
振付をする時は、できるだけ音楽やストーリーに忠実に、かつ 新鮮にと考えるので、前もって
考えていかず、その場で考え・・・いや感じたままに振付をしてきた。
 
話がまたまた飛ぶ(後で繋がるはずだ。たぶん・・・)
 
先日の日曜日に父の三回忌を終えた。 と言う事は・・・
忘れもしない。
恩師 山田卓先生も亡くなられて二年が過ぎた。
今でも耳に残る言葉が数々ある。
「オトコチャンやろ お前」 「役者やろ お前」 「ダンシングや わかるか?」
「ダンスがうまくなるのはそんな大変やない。隣で踊ってる奴の二倍、三倍踊るか
 誰も持ってないものを手にするかだけや」・・・等々。
 
恩師はお寿司が好物だった。
当時参宮橋(小田急線で新宿からふた駅)に稽古場があった。事務所は歩いて百歩もかからない。
事務所の一階は店舗が入っていた。果物屋さん、クリーニング屋さん・・・そして お寿司屋さん。
ある稽古の夕食休憩時に、「ご飯食べに行こ」と。 もちろんお寿司屋さん。
やつぎばやに注文され、一貫一貫をおいしそうに口に入れられ・・・そして ダメだしが始まった。
「・・・・・」「・・・・・・・」「・・・・・・・・・」 !!!!!!!!!
すべてが芝居のダメだしだった。ダンスに関しては一切無し。 恐る恐る聞いてみた。
「あのぉ・・・僕のダンスは・・・」
「ダンス? 百年早い! ・・・けどな、まぁお前は他の人にないものを持ち合わせてるから、えぇんちゃうか。」???
「それって・・・」
「ん・・・あぁ 童顔と体操。」
「はぁ? あぁ・?・?・?・・・」
ダンスとなんの関係もなかったが、でも 嬉しかった。
 
てんのダンスシーンをみていて思った。(話が元に戻ったでしょ)
私は俳優に振付をしてきた。俳優が踊り、歌い、演技する。これは間違っていないと思う。
卓先生の口癖。
「一流のダンサーに振りつけしたいわ。なかなかおらんけどな。」
先生の言うところの「一流のダンサー」は、「芝居心のある人」を意味する。
私は劇団員を育ててきて、やっと理解できた。
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